底抜けに哀しく、可笑しい。
Coyote 誌上で連載中の「柴田元幸翻訳叢書」。待望の単行本化第2弾は、20世紀のアメリカを代表する作家、バーナード・マラマッド。短いストーリーのなかに広がる余韻、苦いユーモアと叙情性、シンプルな言葉だからこそ持ちうる奥深さ......。長年、マラマッドに魅了されてきた柴田元幸の名訳で贈る、滋味あふれる短編集
2009年10月14日発行
目次
○ 最初の七年
○ 金の無心
○ ユダヤ鳥
○ 手紙
○ ドイツ難民
○ 夏の読書
○ 悼む人たち
○ 天使レヴィ―ン
○ 喋る馬
○ 最後のモヒカン
○ 白痴が先
訳者あとがき
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一年にわたって『Coyote』に短篇を訳してきて、僕自身何度も、マラマッド作品の、短いなかに広がる余韻、苦いユーモアや叙情性、シンプルな言葉だからこそ持ちうる奥深さに魅了されてきた。……マラマッドは何よりもまず書く人であった。ジャック・ロンドンのようにすさまじい勢いで次々作品を生み出していくタイプとは正反対に、推敲に推敲を重ねて作品を彫り上げていく書き手だった。__「訳者あとがき」より