THE SUBSTANCE of POST PUNK with DR.MARTENS
PHOTOGRAPHY: GOTO TAKEHIRO
TEXT: SUGAWARA GO
◆INTERVIEW――志磨遼平(ドレスコーズ)
志磨遼平 1982年和歌山県生まれ。ミュージシャン、文筆家、俳優。2006年「毛皮のマリーズ」としてデビュー、11年解散。翌年「ドレスコーズ」を結成。最新作は18年に自身が音楽監督を努めた舞台『三文オペラ』の劇伴『ドレスコーズの《三文オペラ》』
僕にとってマーチンは、「地元の格好良い憧れの先輩」のイメージ。マーチンを履いている人たちはみんな確固たるスタイルや美学を持っていて、紐の色や結び方ひとつとってもパンクスとしてのこだわりがある。その感じがなんか格好良かったんですよね。十代の頃はそんな先輩たちを見つつ、自分なんかが履いていいのかな、と思いながらも10ホールを履いてました。
ファッションに関しては実家が洋服屋だったこともあって昔から興味がありましたけど、なんとなく格好良いからとか、今それが流行ってるからという理由で服や靴を選ぶことはあまりなくて、自分の中にそれを着る必然があるものを結果的には選んできたんだと思います。だから僕の場合は自分が作っているその時その時の音楽に相応しいスタイルに自然となっていく。あとはちょっとしたユーモアだったり、人を喰ったようなセンスのあるものが好きですね。ジョニー・ロットンやカート・コバーンのような。音楽はもちろんだけれど、ファッションも音楽とは切り離すことのできないカルチャーだし、それらが複合的になっていくのが面白いところですから。このマーチンのブーツもまさにそういうもので、もちろん気軽に履いても全然いいんだろうけど、その背後にあるカルチャーを知ることでより楽しめるものだと思います。
◆INTERVIEW――渋谷龍太(SUPER BEAVER)
渋谷龍太 1987年東京都生まれ。2005年に高校の先輩後輩で「SUPER BEAVER」結成。今年4月には初の日本武道館公演を開催、チケットは即日ソールドアウトに。6/27にニューアルバム『歓声前夜』リリース。7/14から初のワンマンツアーがスタートする
ボトムスは基本スキニーにマーチンと言いましたが、トップスはほぼバンドTです。バッド・ブレインズとかマイナー・スレットあたりのUSハードコアが多いんですけど、それってデザインが格好良いのはもちろんだけれど、それ以上に同じバンドを好きな人たちと繋がれるのが僕にとっては大きくて。「そのバンドいいよね。好きなの?」ってところから、「俺も好き。あの曲いいよね」「だったらあのバンドも好き?」みたいにどんどん広がっていく。その感覚を大事にしたくて。
このジョイ・ディヴィジョンのモデルは、ジャケットのアートワークがプリントではなくてエンボスになっているところがポイントですね。一見普通の黒いブーツにも見えるから服にも合わせやすいし、でも実はすごく手が込んでいるという。ジョイ・ディヴィジョンを知っている人はもちろんだけれど、知らない人もここから興味を持って彼らの音楽に入っていくのも全然アリだと思います。そうやって世界が広がっていくのはすごく素敵ですよね。
Dr.Martens × JOY DIVISION
Dr.Martens × NEW ORDER
[左から]1460 TECHNIQUE 8 EYE BOOT、1460 UNKNOWN PLEASURES 8 EYE BOOT、1460 POWER, CORRUPTION&LIES 8 EYE BOOT(各 28,000円 税別)。サイズはUK 3~10(約22cm~29cm)の8展開。全国のドクターマーチンショップにて発売中
(ドクターマーチン・エアウエア ジャパン)
(6月20日発売『SWITCH Vol.36 No.7 特集 WHO IS KOHH?』掲載)