WAY TO DENALI デナリ滑降 新井場隆雄インタビュー
佐々木大輔のサポートメンバーとして今回の冒険に参加した新井場隆雄(写真左)
パタゴニア、グリーンランド、利尻岳など、佐々木大輔の冒険に欠かせないサポートメンバーである新井場隆雄。デナリ挑戦を成功へと導くチーム作りとは。
大輔と初めて出会ったのは2001年、僕が知床半島周回シーカヤックツアー「知床エクスペディション」を主催しているガイド、新谷暁生さんのもとで働いていた頃でした。大輔は当時、グリーンランド遠征に向けて新谷さんのもとでカヤックの修行をしていました。同世代で、お互いスキーをやっていたという共通点もあり、すぐに打ち解けました。僕が新谷さんのもとを離れて札幌に戻ってからは2人でよく会うようになり、2007年のパタゴニア遠征からは一緒に海外遠征に行くようにもなりました。
僕は大輔と比べてスキーも登山も一流というわけではなく、ほぼ一般レベルに等しい。だから今回のデナリ南西壁でのスキー滑降にサポートとして同行するにあたって、彼のサポートとして特に気をつけているということはほとんどないのですが、強いて言うなら、とにかく遠征中にいい空気作りをするということ。チームが仲良くできれば、それが成功に?壓がると思っています。
彼には持って生まれたリーダーの資質があって、ガイドという仕事に興味を持ったのも自然なことだったと思います。僕みたいな一般レベルの人たちと一緒に行動して、チームをまとめることによって、自分の気持ちを安定させ、喜びを感じるタイプ。だからこそ僕のような存在が、遠征で大輔を支えることにもなる。僕自身、カヤックのガイドをすることがありますが、お客様がいることで安心するというか、なんとかしなきゃという気持ちが生まれ、気持ちが安定するんです。
以前一緒に行ったパタゴニアやグリーンランドの遠征は、滑ること重視で明確な目的は特になく、いい斜面があればその時の気分で滑るというような遠征でしたが、今回のデナリは、自分たちで登るルートと滑るルートの課題を明確にしています。それはこれまでと大きな違いですね。時間も制限されるただでさえ大変な挑戦に、さらに自分たちで制限をかけている。まるでカミソリの上に立っているみたいに、少しの失敗も見逃さない鋭さがデナリにはあるように思います。だからこそわずかなチャンスを掴むために過信せずに、お互いリラックスして平静を保てるように正し合えればいいですね。
<プロフィール>
新井場隆雄
1974年京都府生まれ。シーカヤッカー、スキーヤー。北海道在住。フルマークス販売促進部勤務。
今回のデナリ滑降をはじめ、佐々木大輔さんの数々の挑戦をサポートしてきたフルマークスより、特別限定グッズが販売される。佐々木さんが現地で実際に使用したデナリの地図をグラフィックにした、Tシャツ(4,800+税)とバンダナ(2,000+税)の2タイプ。フルマークスのオンラインストアや直営店のほか、今回のデナリ滑降の報告会場でも販売されるので要チェックだ。
http://www.fullmarksstore.jp/pc/products/18564
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