10 days 行商日記 in New York #day 10
今年6月、安西水丸さんのシルクスクリーン作品をまとめた『ON THE TABLE』が出版社Baciから刊行された。
Baci代表の内田有佳さんは新刊を胸にNYへと旅立った。
届きたてほやほやのNYでの行商風景をお届けします
最終回 #10日目
安西さんに連れて来てもらった場所。
朝8時にUberでタクシーを呼んでニューアーク国際空港へ。結局、ニューヨーク滞在中にUberは使いこなせず、空港の往復に使用するのみだった。トランクはだいぶ軽くなっているはずが、行く先々でいろいろと本を買ってしまい、結局行きと変わらない重さ。オーバーバゲージは免れてほっとする。
13年振りに訪れたニューヨークは、前回訪れた時よりもずっと身近に感じられた。それは『ON THE TABLE』を介してこの街の人と会話ができたからにほかならない。この8日間で出会った人の顔を思い浮かべると、感謝という言葉では到底追いつかない気持ちになる。ニューヨークに来てよかった。
日記に書きそびれていたのだが、MoMAでマティスを観ることができたのもいい思い出になった。マティスは安西さんが好きだった画家。安西さんもきっとこの絵の前に立ったことがあるはずと思いながら眺めた。『手のひらのトークン』に出てくるルソーの《眠るジプシー》もいい絵だった。
週刊NY生活の三浦さんからメールがあり、『ON THE TABLE』の記事はなんと一面だという!取り扱い書店の一覧も掲載されている。この本を取り扱おうと決めてくれた書店に反響があることを願う。
最後に、これはMitsuさんから送られてきた、McNally Jackson Booksに並ぶ『ON THE TABLE』の写真。この青に誘われて、沢山の人が本を手にとってくれたらと思う。
安西さんを追いかけてやってきたニューヨーク。この街の書店員さんが、安西さんの絵と出会う瞬間に立ち会えたことがなにより嬉しかった。誰もが安西さんの描くエンパイアステートビルやイエローキャブを愛おしそうに眺めてくれた。
サンキュー、ニューヨーク! どうか追加注文が入りますように!
END
『ON THE TABLE』刊行記念トークイベント開催決定!
『ON THE TABLE』刊行を記念して、トークイベントを開催します。
ゲストは『ON THE TABLE』のデザイナーを務めた雑誌『POPEYE』のアートディレクターとしても活躍中の前田晃伸さんと、安西水丸塾で学んだイラストレーターの山﨑杉夫さん。聞き手はニューヨークから帰国したBaci代表の内田有佳さんです。
安西水丸さんの作品の魅力とは? なぜBaciが生まれたの? この新刊に込められた思いは?
この美しい一冊ができるまでのストーリーや、安西さんの作品について、内田さんのニューヨーク行商話も交えてじっくりと語っていただきます。みなさまのご参加お待ちしております。
前田晃伸(デザイナー・アートディレクター)
山﨑杉夫(イラストレーター)
内田有佳(編集者・Baci代表)
<日程>
2016年9月23日(金)18:30 OPEN/19:00 START
<会場>
Rainy Day Bookstore & Cafe
東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F
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《 INTERVIEW 》
-- 安西水丸『ON THE TABLE』ができるまで --
Baci 内田有佳さん
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《プロフィール》
内田有佳 うちだ・ゆか
1982年生まれ。編集者。Baci代表。 大阪芸術大学映像学部を卒業後、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのエディターとして活動する。2016年、出版レーベルBaci(バーチ)を立ち上げる。
http://bacibooks.com/
安西水丸
『ON THE TABLE』
2014年に急逝したイラストレーターの安西水丸。アトリエに残された作品を整理するなかで見つかった個展のためだけに制作された、シルクスクリーンの作品をまとめた一冊が完成。
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