【SWITCH Vol.34 No.1 特集:ゲームの30年】 編集後記

「特集:ゲームの30年 1985-2015」編集後記
1985年『スーパーマリオブラザーズ』が発売され、本格的なファミコンブームの到来とともに現在に繋がる「テレビゲーム」の歴史が始まりました。それから30年が経過し、ゲームの世界は、CG、インターネット、スマホなどのテクノロジーの進歩とともに進化してきたわけですが、今回の特集では、その歩みをゲームクリエイターたちのインタビューによって振り返ります。
2015年を象徴するヒット作『Splatoon(スプラトゥーン)』からこの特集を始めたのは、他でもない『スーパーマリオブラザーズ』、ひいては任天堂のゲーム作りのエッセンスが、見事にアップデートされているからです。
さらには、30周年を迎えた『スーパーマリオブラザーズ』シリーズの最新作『スーパーマリオメーカー』や、来年2016年に大きな注目を集めるであろう『ポケットモンスター』シリーズ最新作『Pokemon GO』、そして今回の特集で、ミュージシャンの星野源さんとのスペシャルな対談が実現したゲームデザイナー上田文人さんの待望の新作『人喰いの大鷲トリコ』など、まさに「現在」と「過去」のゲーム史を繋ぐようなタイトルがひしめき合う特集になりました。
そして、その30年の歴史を紐解く軸となったのは、「それぞれのタイトルがゲーム史にどんな「動詞」や「名詞」を持ち込んだのか」という質問です。
たとえば『スーパーマリオブラザーズ』なら「跳ぶ」「踏む」「大きくなる」、『モンスターハンター』なら「狩る」、『Ingress』なら「歩く」、『ポケットモンスター』なら「交換する」・・・。そう、このゲームの「動詞」にスポットライトを当てたのは、かつて、ポケモンの生みの親である田尻智さん(今回の特集には、田尻さんの貴重なインタビューも収録されています)が、さまざまなゲームの「動詞」に注目してその特徴を解析していったことにヒントを得ています。
結果としてこの特集は、「インタラクティブな遊び」としてのゲームが、これまでどのように発展し、現在これだけの隆盛を迎えているのか、その秘密をすこし覗くことのできる内容になりました。
表紙は、昨年のゲーム特集に続いて漫画家・浅野いにおさんの描き下ろし。「ゲームの30年」という特集タイトルをお伝えしたところ、かつてゲーセンの前にたむろしていたような少年少女をイメージした『スプラトゥーン』のキャラクターを描いていただきました。
また、特集内には『スプラトゥーン』『スーパーマリオメーカー』のキャラクターステッカーも特別収録。年末年始にふさわしい、華やかなゲーム特集に仕上がったのではないかと思います。
(SWITCH 編集部)