作家生活15周年を迎えた古川日出男の、集大成となる一冊
小説家はどんな日常を過ごしているのか? 五感を研ぎ澄まして執筆に向かう時、小説家の心に浮かぶものは何か? 思うように進まない作品を抱える苦悩と、創作の昂揚感。そして何よりも、現実世界の衝撃をどのように表現するのか――。連載開始のすぐ後に起こった東日本大震災、それを語る「有効な言葉」を求めて試行錯誤する過程が、赤裸々に綴られる。創作にとり憑かれている小説家の内部に巣食う「デーモン」たちとの対話から見えてくる、作品生成の秘密。
2013年12月2日発行
[TOPICS]古川日出男による私的創作論『小説のデーモンたち』 待望の単行本化!
[立ち読み]『小説のデーモンたち』
【著者より】
連載の三回めが東日本大震災の発災からわずか十一日後の文章となった。ここから『小説のデーモンたち』は、一人の作家の自滅と再生の物語となってしまう。そう、物語だ。驚いてしまうことに。僕は、この創作論『小説のデーモンたち』を月々書きつづけることで、ある一人の“作家”を観察するはめになった。その“作家”とは僕である。結果として、この本は「2011年1月から2013年7月を生きた、ある一人の“作家”のクロニクル」に結実した。
【帯文より】
「これが21世紀の小説神髄だ。あまりにデーモニッシュな!」豊崎由美
「魔物に憑かれた魔物の本。」箭内道彦
〈プロフィール〉
古川日出男
1966年福島県生まれ。98年に『13』で小説家デビュー。2006年『LOVE』で三島由紀夫賞受賞。多作家としても知られ、これまでに発表した小説作品の総原稿枚数は1万3500枚を超えるという。原稿用紙2000枚におよぶメガノベル『聖家族』他、代表作は『ベルカ、吠えないのか?』『馬たちよ、それでも光は無垢で』『ドッグマザー』『南無ロックンロール二十一部経』など。