現在開催中!  「バケモノの子展」レポート

2015/07/31

 興行収入27億円、観客動員約212万人突破という(7月28日時点)、前作を大きく上回るハイペースでのヒットが続いている『バケモノの子』。現在発売中の「SWITCH」7月号(特集:細田守 冒険するアニメーション)でも特集したこの作品の世界観を体感できる展覧会「バケモノの子展」が、東京・渋谷ヒカリエで開催中だ。




絵コンテエリアの様子

「細田守監督作品をみる・しる・あそぶ!」をコンセプトに、原画や絵コンテ、背景美術などの作品制作にまつわる貴重な資料が約300点展示されているほか、「渋天街」の巨大なモニュメントを忠実に再現したセットや、刀匠によって製作された「熊徹の大太刀」なども展示。“面白法人カヤック”や“チームラボ”とコラボした体感型展示もあり、子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる展覧会となっている。










原画エリアの様子

 中でも、とにかく必見なのが「原画」展示エリアだ。『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』の数々の名場面の「原画」が大量に展示されており、鉛筆の線の繊細なタッチや、余白に書き込まれた指示書きを間近で鑑賞することができる。
 特に貴重なのが青い用紙に描かれた「演出修正」と呼ばれる原画。「演出修正」とは細田守監督自らが描いたもので、余白の指示書きからそのカットに対する細田監督の演出意図をうかがい知ることができる。





『時をかける少女』の演出修正。真琴の表情のニュアンスに対する繊細な要望が書き込まれている 
(c)2006 TK/FP






『サマーウォーズ』の演出修正。必死で計算する健二の横顔のカット。「狂気入りはじめます」との文字が
 (c)2009 SW F.P.






『おおかみこどもの雨と雪』の演出修正。雪が告白するカット。細田監督が髪の毛の作画を重視していたことがわかる 
(c)2012 W.C.F.P.


 ここで紹介したのはごく一部。他にも普段は見られない原画が多数展示されているので、このエリアを鑑賞するためだけにでも、十分に足を運ぶ価値がある。





背景美術の原画
背景美術の原画も多数展示されており、まるで写真のようなクオリティの高さを実感することができる。




絵コンテエリア。『時をかける少女』の直筆絵コンテ。
 絵コンテエリアに展示されている『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』の絵コンテ“原版”も貴重だ。『時かけ』と『おおかみ』の絵コンテはコピーではなく細田監督直筆のもの。壁面にはアニメーション評論家・氷川竜介氏による細田監督の演出技法の解説が掲示されている。





絵コンテエリア。氷川竜介氏による演出解説
他にも子どもでも楽しめるような細田作品の世界観を“体感”できる展示も充実。



会場入口に設置されている『バケモノの子』の巨大パネル




キャラクターデザインのエリア。
キャラクターのパネルと写真撮影ができる





『サマーウォーズ』のOZ空間の世界観を再現したエリア




本職の刀鍛冶が制作した『バケモノの子』の熊徹の大太刀




ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」制作によるインタラクティブアート「熊徹道場」。
『バケモノの子』の世界に入って太刀さばきの修行ができる







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細田守監督作品 『バケモノの子』展
時をかける少女|サマーウォーズ|おおかみこどもの雨と雪


会期:2015年7月24日(金)~8月30日(日)
休館日:会期中無休
開室時間:10:00~19:00 ※入場は18:30まで
会場:渋谷ヒカリエ 9F ヒカリエホール ホールA
    〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1
観覧料(税込)
大人(大学生以上)      当日1,700円/前売1,500円
小人(高校生以下)        当日 900円 /前売 700円
親子ペア券(大人券+小人券) 当日2,400円/前売2,000円

『バケモノの子展』公式サイト http://www.ntv.co.jp/bbe/
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SWITCH Vol.33 No.7 細田守 冒険するアニメーション





『バケモノの子』をはじめ『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』という過去3作品も含め、90ページという大ボリュームで、細田守という次世代を担う作家を特集しています。

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